薬剤師を辞めたい…と思ったら読んでください。辞めるリスク、辞めないリスクをまとめてみました
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薬剤師になり、夢をもって働きはじめても、職場の人間関係や勤務内容・収入などに不満を抱えて転職を考える人がいます。さまざまな耐え難い理由で薬剤師を継続できないことになれば、心身ともに疲れ果ててしまい、安定した生活は送れません。
「薬剤師を辞めたい…」と考え始めたら、まずは辞める辞めない双方のリスクを知っておく必要があるでしょう。辞める前にもう一度考えるべきこと、すべきことを把握しておきましょう。
目次
よくある「薬剤師を辞めたい」理由5つ
薬剤師が仕事を辞めたいと思うとき、「自分は耐える力がないのかな」などと自分を責めてしまう人もいるでしょう。しかし薬剤師を辞めたい人の理由には、勤務先に原因があることが大半を占めています。転職を考える薬剤師は、以下のような理由で「辞めたい」と感じているのです。
人間関係の悩み
一般企業と同様、薬剤師の勤務先でも人間関係の悩みは深刻です。毎日機嫌が安定しない人や、指示が明確でないために何度もやり直しを求めてくる上司もいます。恩着せがましい人や意地悪な人もいるでしょう。どの職場にも人間関係は付きものだと分かっていても、苦痛な環境が辞めたい気持ちを増幅させるのです。中には派閥があることで疲れたり、モチベーションが低い人ばかりで嫌になったりすることも少なくありません。
激務によるストレスや体調不良
ただでさえ調剤は、患者さんの体調を左右するものであるため神経を使うお仕事です。他に気を取られ集中力を欠けば、大きなミスになります。そんな中、人員不足と忙しさで残業が続いたり、マニュアルの複雑さを効率化できなかったりしてストレスは溜まる一方です。また有給休暇を取得しようと思っても、申請すると悪者扱いされたり、残業が多かったり、院内の風潮がブラックに染まっている場合も「辞めたい」と感じる人が多くなります。
教育体制が整っていない
「仕事も学びも積極的に!」と思っても、教育体制が不十分で叶わないことがあります。例えば認定薬剤師になるために病棟配置を希望しても、就業先によっては何年も配置されないこともあるでしょう。また、忙しさの中で新人教育に時間を割かない職場では、質問しただけで怒られ邪険に扱われるところもあるようです。
収入額の低さ
6年間の薬科大を卒業し、大きな先行投資をして獲得した薬剤師資格です。一般的にも高収入だと思われている薬剤師ですが、エリアや勤務先によっては一般職となんら変わりのないところもあります。辞めたくなる理由には、面談のときの待遇や昇給の話が一向に実現する気配がない、激務のわりに休暇も少ないなどがあり、労働に対する対価の低さを感じている人も多いです。
医療現場のレベルが低すぎる
本来、患者さんに向き合いチーム医療を重視するはずの病院が、プライドの高さをぶつけ合っているような勤務先も疲弊します。看護婦と薬剤師の上司たちが思わしくない関係であれば、下で働く者たちにも壁ができやすくなるからです。また、古い体制を変えようとしない(上司が面倒くさがるなど)と、医療現場のレベルは低くなってしまいます。働きにくさと失望が「辞めたい」と思う気持ちを増幅させるのです。
まずはチェックしてみよう!今辞めるべき?辞めないべき?
もし薬剤師を辞めるか辞めないか迷っているなら、まずは自分の気持ちを棚卸する必要があるでしょう。以下のチェックリストを使って、自分の気持ちを可視化することも今の仕事を続けるかどうかの指標になります。
人間関係
薬剤師に関わらず、人間関係は転職理由の中でも13%(※)を占める問題になっています。職場での孤独感が心身にも影響し、また業務に支障をきたすこともあるでしょう。あまりにひどい状況の場合には、✓数に関わらず辞めたい気持ちを優先させ身を守ることも必要です。まずは、相談場所の確保をしましょう。安易に辞めてしまい生活が成り立たないことも、後の不安を大きくします。
参照元:厚生労働省 平成 29 年雇用動向調査結果の概況(P.15)
職場環境
入社する際に選びぬいたはずの職場でも、残業の多さや休日の少なさなどブラックな面をもっていることがあります。「そろそろ体力的に限界…」というところにあるなら、少しでもホワイト企業を探すアンテナを高くしてみましょう。
モチベーション
仕事を継続できるかどうかは。モチベーションが維持できるかどうかにかかっています。毎日、何気ないものがモチベーションを上げてくれるなら、まだ辞め時とは言えません。「よし!やるか」と思えるかどうか、自分の声を聞いてみてください。
✓の数が0~5個であれば、もう少し様子をみながら今の職場に働きかけて、改善方法を考える余地はあるでしょう。
✓の数が6~12個であれば、改善方法を探しながら、いつ転職になってもいいような準備は徐々に必要かもしれません。
✓の数が13個を越えれば、新しい道へ踏み出すことも検討し、転職活動を本格的に進めていく必要がありそうです。
知っておきたい「薬剤師を辞めるリスクと辞めないリスク」とは?
薬剤師を辞めたいときには、辞めることと辞めないことのどちらのリスクもチェックしておかなければいけません。リスクの大きさを比較し、十分に納得できないと後悔します。
薬剤師を辞めるリスク
今の職場を辞め転職すると、今まで積み上げてきた信頼や信用も一から構築しなければなりません。一番複雑な人間関係も、新たに攻略していかなければならないのです。また、退職する期間や回数にもよりますが、職歴に傷があると判断する採用担当者もいるでしょう。年齢が上がってくれば、今より好条件の職場が近くで見つかるかどうかも不安です。また円満退社でないと、狭い業界ですから良くない評判も広がりやすくなります。
薬剤師を辞めないリスク
辞めない選択をすれば、現状に耐えるという現実が待っています。また、改革を進めることも長い年月をかけて根気よく進めなければなりません。理不尽なことに耐えなければいけないことも覚悟しておくべきでしょう。
考えてみたけれど…それでもやっぱり薬剤師を辞めたいときにすべきこと
最終的な考えが「薬剤師を辞める」ことに落ち着いたなら、転職に後悔をしないためにもしておくべきことがあります。コツをしっかり掴んでおけば、今よりも快適に仕事に取り組める環境が揃ってきます。
自分に合った転職先をうまく探すコツ
漠然と「今よりもいい職場」という転職理由では、また同じような環境に身を投じることになりかねません。自分に合った転職先を探すときには、もっと具体的に自分のスキルや志望条件を可視化させることが大切です。
- 自分が転職先でできることは何か
- ネガティブをポジティブな理由にして転職理由が言えるか
- 自分が熱望する仕事内容は何なのか
これらの内容を明確にするだけで、転職先へのアピールも熱意も伝わりやすくなります。また、今までの職場の勤務内容を書き出して、転職先が狭まらない程度に転職条件を組んで求人を探すようにしましょう。
現在の職場を円満に辞めるコツ
現在の職場に不満があっても、思い通りにならないことを態度や表情でアピールするようなことが無いように心掛けます。退職の理由を聞かれても愚痴にならないよう注意しましょう。また、狭い業界の繋がりは上層部になればなるほど狭く密になります。退職することが決まっても手抜きをせず勤めあげたいものです。
辞めたい…と思ったら、まずは自分と向き合ってみて
薬剤師として働いていれば、一度は辞めたいと感じたことのある人も多いでしょう。大きな責任とプレシャーの中、職場の人間関係や勤務内容・収入など悩みを持つことも特別なことではありません。
「薬剤師を辞めたい…」と考える時間が増えてきたら、まずは自分としっかり向き合って焦らずに判断していきましょう。ぜひチェックリストを参考にしながら、自分自身の棚卸にも挑戦してみてください。